能登半島物語
能登半島沖地震が起きた後、BさんとCさんと僕と3人とで被災地である輪島にある全ての仮設住宅の集会所での演奏を聴いていただいた。
出来事はその数日間の演奏が終え、帰りの最中に起きた。
能登半島には七尾線という電車が走っていて、能登有料道路が出来てからというもの本数がうんと減ってしまい今では約1時間に1本といういわゆるローカル線だ。
僕は次の日もすぐに都内で演奏が入っており、すでに金沢から大宮までの在来特急券と新幹線の切符を買ってあった事もあり僕だけ車から七尾線の白尾駅で降ろしてもらった。
しばらくして時間になったのでホームのラインの内側に立った。すぐ後ろに背中に荷物を背負ったおばあさんがいた。
電車の扉が目の前に来ると全く開かないので「ははぁ。」と直感で左側のドアを引いた。動かない。
今度は右側のドアを引いてみた。動かない。考えて両方のドアを同時に引いてみた、それでもビクともしない。
さすがに上越線や飯田線でもない事だったのでかなり焦った。すると車掌はそんな事はおかまいなしとフエを吹いたのだ。
「ピー。」次の瞬間、ドアの右側にあるボタンが目に止まった。緑色のボタンを押すと様子が変わり手でドアを開く事が出来たので急いで飛び乗った。
すぐに後ろにいるおばあさんが気になったので振り返ったら必死になって杖を使ってカツカツと登ってきた。その直後すぐに閉まった。
あやうくおばあさんを更に1時間待たせてしまう所だった。